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2013年03月07日

釣りエッセー08

釣りエッセー08

田舎の鮭釣り大会

航空郵便で一通の案内状が届いた。
消印はニュージーランド南島のワイマティ。
封を開けると「ワイタキ川サーモンつり大会」の招待状。
なんと賞金総額3万NZドル!

一攫千金を夢見て南島最大の街クライストチャーチから南下すること約200キロ。
牧場のど真ん中に派手なネオンサインがポツリ。
大会本部になっているパブ兼モーテルだ。
「どこから来た?」
「ここ空いてるぜ。ま、とりあえず俺のビールを飲んでくれ」
「お~い、はるばる日本から賓客到来だ!」
「カンパ~イ!」
そこいら中からビールの大ジョッキが飛び交い、深夜まで「カンパイ」の大合唱。

釣りエッセー08

翌日、パプで知り合った親爺たちと川原に向かう。
牧場の柵をいくつも越え、川面が視界に飛び込んできた瞬間にトホホ状態。
流れが速過ぎ、フライ(毛針)じゃ太刀打ちできない。
一方、親爺たちは分厚いルアーを力任せに放り投げ、グリグリと巻き上げる。

だが、一時間も経たないうちに川原に座りこんで井戸端会議。
賞金がかかっているのに、緊張感なんてまるでなし。
のんびりランチを食べ終えたかと思うと「魚、ご機嫌悪いね」などと、パブにご帰還。

次の日は釣場で出会った牧場主の招きで羊の丸焼きランチパーティ。
釣り大会なんて何のその、昼間っから大宴会。

釣りエッセー08

さらにその翌日。
今日こそはと、夜明けと共に河口部に直行。
ところが、風が強くて釣りにならない。
で、またもやパブに逆戻り。

最終日の午後。
検量を終えた釣りびとたちが続々とパブに集まってきた。
その中には、パブの常連親爺の姿もあった。
いつの間にやら、手には真っ赤な四輪駆動車の目録と小切手を握りしめて……。

乾杯! 完敗! カンパ〜イ!

この原稿はその昔し共同通信社から全国の新聞に配信したものです。




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